今回は「影響力の武器〜なぜ、人は動かされるのか」という本について触れてみたいと思います。

この本はロバート・チャルディーニという社会心理学者の方が書いた本で人が思わず行動してしまう心理について書かれたものです。

人から何かを勧められた時に、「最初は買うつもりなんて全然なかったのに段々と気が変わっていき、いつの間にか購入してしまった。」

このような経験を過去に味わった方も多いと思います。

 

人が思わず行動してしまう理由として「返報性」「一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」の6つがあると言われています。

今回はその6つの中でも取引や人間関係において最も影響力が大きいとされる「返報性の原理」についてお伝えしていきます。

 

返報性の原理とは?

返報性とは、一言で言い表すと「ギブアンドテイク」の事です。

 

 

よくビジネスの世界でも、相手にして欲しいと思う事はまず自分から与えなさい。という言葉があるように、人から何かしてもらった事に対して何かお返しをしないといけない。という心理が働きます。

なぜ、そのような心理が働くのかについてこの著書では次のように定義しています。

人間社会のシステムのなかでは、相互扶助が極めて重要であるため私たちは恩義を受けたままでいると不快になるように条件づけられている。

 

ショッピングモールなどで行われているウォーターサーバーや英会話の教材などの特設ブースで、子供向けにキャラクターのグッズや風船などを無料でプレゼントしているのを時々見かけたり、実際に声をかけられた方もいらっしゃると思います。

そのプレゼントを一旦子供が受け取ってしまうと、その親御さん自身あまりその商品に興味がなくても、アンケートに答えたり、とりあえず商品の説明だけでも聞こうとするのは、この心理が働いているからです。

人はなぜ、恩義を受けたままでいると不快に感じるのか?

 

 

先ほどの例のように、もらった恩はどこかで返さないと落ち着かない。

ほとんどの方がこのような気持ちを抱くのではないでしょうか?(中にはもらったままでも平気。という方もいるかもしれませんが。笑)

しかし、なぜそのような気持ちになってしまうのかの理由についてまで考えた事はなかなか少ないと思います。

実はこの理由についても、検証結果に基づいて説明がされています。

恩を返さないと落ち着かない2つの理由。

その理由の一つとして、他者からの最初の親切に何かお返しをする事を無視してしまえば、相互にお返しをつなげていく鎖、すなわち良い関係性を断ち切ってしまう事になりますので、このような事が起こるのは、社会にとって望ましい事ではありません。

こういった理由から、人は恩義を受けたままでいると何か落ち着かない気持ちになるように子供の時から訓練されています。

もう一つの理由が、この返報性のルールから逸脱すると社会から嫌われてしまうという心理的負担からくるものです。

 

 

人々はこういった「恩知らず」のレッテルを貼られてしまうのを恐れてしまうために、時には不公平な取引にも応じてしまう場合もあるほどです。

返報性のルールの威力

この返報性が強力であると言われている理由として、こちらが望んでもいない厚意を最初に受けた場合、例えその相手に好意を抱いていなくても返報性のルールが適用される点です。

借りを作る相手を自分で選びにくくなり、その選択を自分でコントロールするのが難しくなって、不公平な交渉でも応じてしまうケースが生じてしまいます。

 

 

他にも一度断ったあとに、その断った条件よりも下回った条件を提示されると、相手の譲歩に対して次は応えなければならないという心理が働きます。

これらを意図的に使ってくるプロもいますので、不公平な取引を承諾してしまわないように注意が必要です。

返報性を悪用するものからの防衛法

返報性のルールを悪用して丸め込もうとする者に対する最善の防衛法として、交渉相手の最初の申し出をむやみに拒否してしまおうとせず、むしろ最初の親切や譲歩は誠意を持って受け入れるようにしましょう。

 

 

そのうえで後で「これは相手が優位に立つため術中にはめようとしている」とわかった時点で、再定義できるようにすることで、受けた親切や譲歩のお返しをしなければならないという気持ちから解放されるようになります。

まとめ

今回は人が動かされる心理を解説した「影響力の武器」のうち、最も強力と言われる返報性の原理についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

巷でもよくある「無料キャンペーン」や「無料プレゼント」なども受け取った側の心理として、無意識のうちに「いただいたお礼をしなければ」という気持ちになります。

私たち含め事業者にとって、顧客が行動を起こす心理を考えたうえでの「集客」を行う事は大切ですが、もっと大切なのはそこから「顧客に何を提供していくか」。

人間が潜在的に持つ行動心理の部分なので、悪用しようと思えば簡単にできてしまい、顧客にとって不公平な条件でも承諾させる事も可能となるため、使い手がどう活用するかによって、結果がまるで違う”諸刃の剣”になります。

このような人間心理も私たちが提供できる商品やサービスを必要としている人に”本当の価値”を提供するためであったり、WIN-WINの関係を築いていくために、正しく活用して行くことが大切ですね。

今回の内容がお役に立てれば幸いです。

 

追伸

ちなみに私たちが日常使っている、人から何かしてもらった時に「ありがとう」の意味合いで使う「すみません」という言葉ですが、文字通り「これでは終わりません」という意味からきているそうです。

日本語って奥が深いですね。

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