ドリフ大爆笑で永続的に使われてきたある演出。

最高視聴率50.5%を記録したお化け番組として、今なお語り継がれるコント番組「8時だヨ!全員集合」ですが、この番組で必ず使われていたのが「笑い声の演出」

海外のバラエティ番組などの演出でよく使われている、この録音された笑い声ですが、この演出を好きと言う人は少ないと思います。実際に海外の調査結果でも批判的な意見が大半であるという結果になりました。

それなのに、なぜ番組製作者はあの笑い声を頻繁に使うのでしょうか?

実は数々の実験結果から、笑い所であの笑い声を使うと、観客の笑う回数が増え、笑っている時間も長くなる事が証明されているからです。また、そのネタをより面白く感じることがわかっているそうで、つまらないネタの時により笑い声が効果的であるという事も証明されています。

しかしここで重要なのは、演出家の行動ではなく視聴者の行動です。なぜ、このような見え透いた演出を何度も見せられては影響されるのでしょうか?

その理由は次の心理状態が働いているからです。

社会的証明について

社会心理学者であるロバート・チャルディーニが人が影響され行動してしまう心理について研究したうちの一つが社会的証明です。

社会的証明とは、人が他の人が何を正しいと考えているかを基準にして物事を判断する心理状態の事を指します。

社会的証明の原理によると、人がある状況で何を信じるべきか、どのように振舞うべきかを決めるときに重視するのが、他の人の考えや行動です。

他の人たちがそこで何を信じているか?どのように行動しているか。他人を模倣しようとする強い作用は、大人子供関係なく見られます。

先ほどの笑い声の演出は、他人の笑いを聞いてどこで笑うに値するかを示し、無意識のうちに笑いどころをインプットされるという深層心理を利用したものです。

またこの現象は、購買における意思決定であったり、寄付行為、恐怖心の低減など、様々な行動領域で認められます。

入った事のない飲食店でも行列が並んでる様子を見ると、美味しそうだと感じたり、行ってみたくなるのはこの状態が働いていると考えられているからです。

馴染みがなければ”郷に従え⁉︎

一般的に、自分自身に確信がもてないとき、状況の意味が不明確あるいは曖昧なとき、そして不確かさが蔓延している時に、他者の行動を正しいものと期待し受け入れる傾向があるようです。

この理由が状況に対する馴染みのなさです。この真実を利用して大成功した一つの例が今ではお馴染みのショッピングカートを考えたシルバン・ゴールドマンという人物。

この人物はある人間心理を利用して、まるで馴染みのなかったものを”習慣化”させたのです。

”サクラ”を利用して大成功したショピングカート


1934年に小さな食料雑貨店をいくつか買収した後、ゴールドマンは店の買い物客が買い物をやめるのは、買い物カゴが重たくなることに気づき、ショッピングカートを発明しました。しかし、現代のものとは違って当時発明されたばかりの頃は、車輪と重たい金属のカゴを二つつけた折りたたみ椅子のようなものだったそうです。

このあまりにも馴染みのない見た目のため、このカートを進んで使おうとする人は誰一人としていませんでした。その後も目立つところに置いたり様々工夫をこらしますが、それでも全く効果はなく途方に暮れてしまいました。

最後に一つだけ試してみようと思った方法こそが、社会的証明の原理を土台にした”サクラ”です。

彼は買い物客を何人か雇い、ショッピングカードを押して店内を回らせたのです。その結果、程なくしてサクラではない顧客も真似するようになり、このショッピングカートは全米を席巻し、ゴールドマンは資産4億ドル以上を稼いだと言われています。

社会的証明が強力に発動する2つの条件

 

この社会的証明が強力に現れるのはどういった状況なのでしょうか?

強力に現れる条件については、次の2つが挙げられます。

・不確かさ

人は、自分の決定に確信をもてないとき、あるいは状況が曖昧なとき、他の人々の行動に注意を向け、それを正しいものとして受け入れようとします。

状況が曖昧だと、明確な緊急時と比べて援助に関する傍観者の決定に、他の傍観者の行動が大きく影響を与えるようになります。

どう振る舞えばよいか確信が持てない場合に、この心理が働きやすくなり他者の行動を参考にして自分の行動を決める傾向があるようです。

 

・類似性

 


人は自分と似た他者のリードに従う傾向があるというものです。私たちは自分と異なる人よりも、類似した人が示す行動に従いやすいのです。

まだ一度も手にした事のない商品の口コミやレビューなどを参考に、購入するか否かの判断を下すのはこの心理状態が働いていると言われています。

自分と似たような悩みや課題を抱えていた人の変化の様子を知って、自分も同じ効果が期待できると感じたり、失敗するリスクを回避したいという欲求でもあります。

誤った社会的証明に影響されないために

 


実際にこの社会的証明を悪用されるケースも…。

誤った社会的証明に影響されない為には、次の2つに注意する事とあります。

・他者が行っている明らかに偽りの証拠に対して敏感であること。

・自分の行動を決定する際には、類似した他者の行動だけを決定の基礎にしないこと。

馴染みのない状況や、不確かな時の正しい意思決定として判断されがちな社会的証明ですが、この社会的証明を意図的に歪めれられて提供される詐術の場合も横行しており、以上の2つに注意して自身で冷静に判断することが求められます。

まとめ

 

社会心理学者であるロバート・チャルディーニ著書「影響力の武器。なぜ、人は動かされるのか。」の中から、今回は社会的証明についてまとめてみました。

自分一人では判断がしにくい状況の時に働く社会的証明は、一般的に社会的証拠に合致した行動をする方が、それと反対の行動をとるよりも間違いを犯すリスクは少なくなります。

しかし、多くの人々が同じことをしていると、自分が知らない何かを彼らが知っていると盲目的に信じてしまう傾向もあり、間違った決断をしてしまう事もあります。

不確かな状態で選択を迫られた時、自分よく似た他者のリードに従いがちですが、この行動だけを基礎にする事なく、あくまで参考材料の一つとして捉え、自分の意思で考え判断を下す事が大切です。

光と影の両方の要素がある社会的証明ですが、もし判断に迷われている顧客がいれば、この”社会的証明”を私たちは顧客にとって光になるように使っていく事が求められます。

今回の内容がお役に立てれば幸いです。

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