マーケティングが機能しないたった一つの理由とは?
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私は前職で組織コンサルタントとして活動していましたが、営業(セールス)も自分自身で行い、受注した顧客(主に経営者の方々)が自分の顧客になり、組織マネジメントのコンサルティングをサービス提供していました。

ずっとバスケットボールをやってきた私は「気合いと根性」だけは自負がありましたが、コンサルタントとして活動した当初は空回りの連続でした。そこで、当時知り合った、某外資系保険会社でMDRTの営業マンに相談。どのようにして「目の前にいる相手を動かすか」というマーケティングの原理原則を学び、それから蘇生することができました。

「気合いと根性」。

精神論でビジネスが成り立つ時代はとうの昔に終わりを告げていますが、営業現場やビジネスの現場では、「マーケティング」を仕組みで実践している企業よりも、まだまだ「セールス」を精神論で実践している企業が多いように感じます。
(もちろん、「気合いと根性」は時としてとてつもないパワーを生み出す場合もありますが)

しかし、ビジネスの安定化、安定的な収益確保、永続的な事業成長を考えるのであれば、やはりしっかりと「売れる仕組みづくり」をしていかなければなりません。では、どのような視点で「仕組み化」をしていけばいいのか?今回はこのテーマを考えてみうようと思います。

1.マーケティングは「気合いと根性」では成り立たない

マーケティングの定義を今一度整理してみると、

企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。 また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

ウィキペディア

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合活動である。

マーケティング協会

マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的・経営的プロセスである。

フィリップ・コトラー

マーケティングの理想は、販売を不要にすることである

ピーター・ドラッカー

など、様々な定義や見解がありますが、マーケティングとは何か?を端的に表現するならば、それはやはり「売れる仕組みづくり」=「顧客から選ばれる必然をつくる」ことに尽きます。つまり、気合いと根性がいくらあっても、「仕組みづくり」ができていなければ安定的な事業運営は難しいと言わざるを得ません。

2.マーケティングを機能させる「消費者心理」の理解

私が前職の組織コンサルタント時代に、保険会社の営業マンから学んだことはまさに「消費者心理」でした。人間は誰しも消費者(買い手)の立場があるはずなのに、売り手側になるとなぜだか買い手の気持ち(消費者心理)がわからなくなり、売り手視点で営業活動をしてしまいがちです。コンサルタント駆け出しの私もまさにその一人でした。

ですが、教えてもらったこの「消費者心理」からブレずに営業活動をするようになってからは、それ以前と比べて歴然とした差が生まれました。マーケティングを正しく機能させるため、つまり、売れる仕組みを創るためには「消費者心理」の理解が大きなカギを握ります

ちなみに、その営業マンから教えてもらった消費者心理(消費行動プロセス)とは、

  • STEP1:ニーズ喚起
  • STEP2:ニーズの具体化
  • STEP3:解決策の提示
  • STEP4:クロージング

でした。

STEP1の「ニーズ喚起」で、いかに潜在的なニーズを掘り起こせるか、それに光を当てられるかが最重要ポイントとなります。これはまさに、「言うは易く行うは難し」なのですが、このSTEP1の精度が上がれば上がるほど、実体験としてクロージングの精度も上がっていきました。

私たちが何かモノを購入する際、ニーズは既に顕在化しています。逆に言えば、ニーズが顕在化しているからこそ消費行動を取ります。ただ、この顕在化したニーズは全てが最初から顕在化していたわけではありません。最初は自分自身でも気づかない潜在的なニーズだったものが、何かのきっかけで顕在化することも多くあります。

この顕在化こそがSTEP1になり、それを更に具体的にイメージしてもらうことがSTEP2になります。STEP1〜2をきちんと実行すると、相手が大切にしている価値観や人生観までもが浮き上がって見えてきます。相手が大切にしているコトやモノが明確になれば、まさにそれが顕在化したニーズとなるため、STEP3の「解決策の提示」は高度な技術がなくても成立します。

ただ、STEP3でのポイントは、費用対効果をわかりやすい例えで伝えることになります。消費行動においては金額の大小はあれど必ず消費者は対価を払います。その支払う対価よりも、得られる価値の方が大きいことを伝えるのはもちろんですが、支払う対価がきちんとペイできることをイメージしてもらうことがとても重要になります。

(例)コンサル契約100万の場合
・仮に年収1,200万の社長が一人で稼いでいた体制から、No.2が1名育成できることで、社長の時間が月40時間空けば、5ヶ月でペイできる
・年間離職者10名が半減(5名へ)することで、150万のコスト改善(採用@30万として)になるため、それだけでペイする
・社員20名(1名当たり人件費40万)の残業時間が1日30分削減することで、月40万のコスト改善になり3ヶ月でペイできる

そして、最後のSTEP4「クロージング」では、上記のようなロジックではなく、再度、相手が大切にしている人生観や、実現したいと価値観や未来像について、感情に寄り添い「最後にそっと背中を押してあげる」ことが重要になります。

私も買い手の立場ではよく「検討します」というフレーズを使ってしまいますが、「検討します」と言いながら、実は検討しているわけではなく、「決断を先延ばしにしているだけ」に過ぎないことがほとんどです。(笑) ですので、決断を先延ばしにする→時間が経過する→時間は有限→早く決断した方が賢明である、ということを最後に必ず伝えていました。

このように、買い手の立場・心理でいかにマーケティングを設計していけるかが、「売れる仕組みづくり」に直結しますので、ぜひ消費者心理の理解をしていきましょう!

3.消費者心理のフレームワーク4選!

下記に、代表的なフレームワーク4選をご紹介します。

①AIDMA

アメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示したフレームワークとなります。

  • Attention(注意):商品・サービスを広告やSNS等で知る
  • Interest(興味):商品・サービスに興味関心を持つ
  • Desire(欲求):商品が欲しいと思う
  • Memory(記憶):商品を一旦記憶し、評判や評価を得る
  • Action(行動):商品・サービスの購入や利用をする

参考:AIDMA(アイドマ)とは・意味|MBAのグロービス経営大学院

②AISAS

AIDMAの法則を基に、ウェブを日常的に利用する消費者の購買に関する行動モデルとして、2004年に大手広告代理店の株式会社電通が提唱したフレームワークとなります。

  • Attention(注意):商品・サービスを広告やSNS等で知る
  • Interest(興味):商品・サービスに興味関心を持つ
  • Search(検索):Web等で検索し、情報収集をする
  • Action(購買):商品・サービスの購入や利用をする
  • Share(情報共有):SNS等や口コミで感想をシェアする

参考:マーケティング戦略に欠かせないAISASとは | Town Square

③DualAISAS

Dual AISASは、従来型の「購買」が目的である「縦方向」のAISASモデルに、「広める」ことを目的とした「横向き」のAISASモデルが加わった消費行動モデルです。

  • Activate(起動):「広めたい」願望の付加
  • Interest(興味):商品・サービスに興味関心を持つ
  • Share(共有):SNS等で自分の価値観などをシェアをする
  • Accept(受容):聞き手が情報を受け取る
  • Spread(拡散):さらに他者や他ネットワークに拡がる

参考:“Dual AISAS”で考える、もっと売るための戦略。 | ウェブ電通報

④AISCEAS

AISCEASは、2005年ごろにアンヴィコミュニケーションズの望野氏が提唱した、顧客の購買プロセスを説明するモデルです。AISASと比べ、より詳細に顧客の購買心理プロセスを分けたモデルとなります。

  • Attention (注意):商品・サービスを広告やSNS等で知る
  • Interest(興味):商品・サービスに興味関心を持つ
  • Search(検索):Web等で検索し、情報収集をする
  • Comparison(比較):様々な類似商品と比較をする
  • Examination(検討):具体的な活用事例等を聞いて検討する
  • Action(購買):商品・サービスの購入や利用をする
  • Share(共有):SNS等や口コミで感想をシェアする

参考:AISCEASの視点から考えるリードナーチャリング | Urumo!

4.まとめ

今回は、私の体験談も交えながら「消費者心理」について整理してみました。この「消費者心理」に則った仕組み化やフロー化ができているか否かが、マーケティングを正しく機能させられるか否かの大きな要因と言っても過言ではありません。上記にご紹介したように、消費者心理のフレームワークは世の中に多数あります。その概念を知った上で、自社の事業にどう生かしていくか、が鍵を握ります。また、リストマーケティングにおいても、この概念は全く同じです。この一つ一つのステップをクリアできなければ、顧客は他の選択肢へと流れてしまいます。ぜひ一度、自社のビジネスモデルと消費者心理とを照らし合わせて、マーケティングフローを整理してみてください。

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