モノを捨てられる人と捨てられない人の違いとは?人間心理で考える。
The trash,brick background

なかなかモノを捨てられなくて、部屋がモノで溢れている―

いつか使うかも!と、百貨店などの買い物袋が押入れに何枚も増え続ける―

最近着ていない洋服も、いつか着るかも!と思いクローゼットに眠り続けている―

こういったシーンは、日常生活の中でよく見かけると思いますし、一度手に入れたモノをなかなか捨てられないタイプの人と、一定期間使用していなければもう使わないから捨てよう、と判断して捨てられるタイプの人がいると思います。

ちなみに僕は、自分の中のルールとして、1年間まったく使用していないモノは、今後使う確率は極めて低いと考えられるため、それを基準にどんどん捨てることにしています。しかしながら、例外も多数あり、自分が大切にしているモノや愛着があるモノについては、そのルールは全く適用されずに、何年も使ってなくても部屋に保管し、既にオブジェ化しているモノも沢山あります。

では、なぜ人によって、状況によって、モノによって、こういった違いが出るのでしょうか?今回は、人がモノに対して愛着を持つ心理的要因を紐解いていこうと思います。

1.人はなぜモノを捨てられないのか?

人は誰しも、多かれ少なかれ、自分が所有しているモノに対して愛着を感じます。それは、自分がお金を払って購入したモノだけではなく、誰かからプレゼントされたりしたモノでも全く同じです。つまり、一度所有したモノに対して人は価値を見出し、それが愛着につながるため、手放すことに抵抗を示すということになります。

このような人間の心理現象は「保有効果」と呼ばれ、1970年代にロチェスター大学の大学院生で後に経済学者となるリチャード・H・セイラー氏によって提唱されました。また、アメリカの心理学者でノーベル経済学賞も受賞したダニエル・カーネマンらによっても研究が行われ、実証されている人間心理となります。

保有効果とは?
保有効果とは、自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理現象のことをいう。

ブランド用語集

つまり、「モノが捨てられない人」は、この「保有効果」が強い人ということになりますし、その状況やモノによって愛着が沸き手放したくなくなるのもこの「保有効果」が影響していることになります。

例えば、車を購入して1年間乗ってきた時点で、「全く同じ車種の新車と交換できます」と言われても、僕はすんなりと「じゃあ交換お願いします」とはならないと思います。車だけの価値で考えれば、どう考えても新車の方が価値が高いことはわかっていても、やはり自分の所有物への愛着があるからこそ、悩んでしまったり、感情が動くことになります。これは、車に限らず、家電でも、家具でも、同じですよね。

2.保有効果はマーケティングに応用できる

マーケティングは、人間の感情の動きをいかにコントロールできるかに尽きますので、この「保有効果」も様々な場面でマーケティングに応用されています。下記ではその代表例をあげていきながら、整理していきます。

返品(返金)保証

「実際に利用してみて、気に入らなければ返品(返金)可能です」というこの「返品(返金)保証」は、最もわかりやすい保有効果の活用事例となります。顧客視点で考えれば、「返品(返金)保証をつけるくらいこの商品やサービスに自信があるんだ」と思ってもらえるかもしれませんし、それが信頼感や安心感に繋がる可能性も高くあります。
もちろん、それぐらい優れた商品やサービスを提供しているという売り手側の確固たる自信や自負の表れである可能性もありますが、一方で、この「保有効果」を熟知したマーケティング戦略の一環として「返品(返金)保証」を設定している可能性もあります。

無料お試し体験

そして、この「保有効果」という心理現象は、お金(商品やサービスに対する対価)を払っていない状態でも働きます。つまり、「まずお試しで使ってみて、もし気に入れば購入ください」という無料お試し体験や無料デモ体験も、この保有効果を活用した事例となります。
最近では、ファッションや靴のネットショップでも、無料で試着ができたり、返品が無料であったり、サイズ交換が無料でできたり、などが多く見られます。これも、お金を払っていない状態でも、実際に試着をすることで、保有効果が生まれるため、購入率が高まることを実践しているケースとなります。

3.保有効果をオファーとして活用する

人の購買心理の中で、当然ながら一番のハードルとなるステップは「購入する」ステップとになります。つまり、実際に対価を払うという行動を起こすことが一番心理的ハードルが高くなります。売り手からすれば、顧客がそのハードルを越えてくれなければ、販売にはつながらないため、いかにしてこのハードルを越えやすくするか、に頭を常に使うわけです。

そこで、その購買ハードルを越えやすくする要素の一つが「オファー」となります。

参考:【オファー】と【デッドライン】を集客に活かす!

このオファーを、どのような内容にするのか?で、顧客がその後の購買ステップに進むか否かが大きく変わります。実際に弊社でもこのオファー内容を常に模索していますし、実際にオファー内容を変えたことで、顧客行動の指標数値に大きな差が出たりも事実あります。

そして、上記で説明した、「返品(返金)保証」と「無料体験」についても、どちらのスタンスでオファー設定するかで大きな差が生まれる場合もあります。

例えば、「1ヶ月間の返品(返金)保証」と、「1ヶ月間の無料体験」では、どちらも1ヶ月間コストがかからず利用できるという点は同じですが、売り手と買い手ではキャッシュイン/アウトの観点で意味合いが大きく変わります。(下図参照)

実際に、Webサイト分析サービスを提供している海外の会社では、「1ヶ月間の返金保証」から「1ヶ月間の無料体験」に変更したことで、購入率が20%向上したという例もあります。売り手側の視点としては、キャッシュインが確実な返品(返金)保証の方がメリットは高いかもしれませんが、顧客視点に立ち、購入ハードルを考えた際は、やはりキャッシュアウトせずにサービス体験できた方が一歩踏み出す行動の割合は高くなると思われます。

まとめ

今回は、人が所有物に対して抱く愛着心とも言える「保有効果」について整理してみました。自社商品やサービスをどのように世の中へ拡めていくか、というマーケティングフローやカスタマージャーニーを設計する際には、ぜひこの「保有効果」という顧客心理も加味した上で設計いただき、より精度の高い設計図を作成してもらえればと思います!

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